卵巣腫瘍、それはその名の通り、卵巣に腫瘍ができているということです。
しかし、腫瘍=がんではありません。悪性だったら一般的にがんと言われ、転移の心配、これからの転移の予防などの対策が必要ですが、良性だったら転移の心配はなく、その腫瘍を取るだけで、根治することも多くあります。
では、卵巣腫瘍を細かく見てみようと思います。
卵巣腫瘍と言われる時はどんな時?
卵巣腫瘍と疑われるのは、エコーなどで卵巣が大きく腫れている様子が映った時です。それは3cmのこともあるし5cmのこともあります。6cm(私)のこともあるし10cmのこともあります。大きくて20cm超えのこともあるといいます。20cmってすごい大きさですよね。きっと、片側、両方のお腹がぽっこりしているかと思われます。
卵巣腫瘍・充実性腫瘍(じゅうじつせいしゅよう)=がん
充実性腫瘍とは、一般的に言われるがん。触ると硬い特徴があります。良性の場合もありますが、ほとんどは悪性です。「悪性腫瘍(悪性がん)」と言われます。良性と悪性の中間のがんである「境界悪性腫瘍(きょうかいあくせいしゅよう)」というものもあります。「良性腫瘍」は、卵巣嚢腫と一緒にされる場合が多いみたいです。
「表層上皮性間質性腫瘍(ひょうそうじょうひせいかんしつせいしゅよう)」
悪性卵巣がんの90%を占めるものです。卵巣の表層を覆う細胞に発生するがんで、その中でも「漿液性[しょうえきせい]がん」、「粘液性がん」、「類内膜がん」、「明細胞がん」に分けられます。それぞれ異なった性質をもっています。
「胚細胞腫瘍(はいさいぼうしゅよう)」
次に多い悪性がん。卵子のもとになる胚細胞から発生するがんです。
「性索間質性腫瘍(せいさくかんしつせいしゅよう)」
ホルモンをつくる細胞などから発生するがんです。
卵巣腫瘍・卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)
卵巣腫瘍の中には、「卵巣嚢腫」というものもあります。卵巣腫瘍と診断されて、80%がこの卵巣嚢腫と言われています。
卵巣嚢腫とは、卵巣の袋の中に異物が溜まる症状です。触って柔らかい。およそ90%が良性だと言われています。
良性の中に小さな悪性が潜んでいる場合があるので、嚢腫と診断された時も、良性かもしれないけど、手術して病理検査をした方が安心です。
今は良性だけど、成長していくうちに悪性が入ってくることもあるので、やはり手術をした方が安心です。
卵巣嚢腫の種類も多くあります。
「漿液性嚢腫(しょうえきせいのうしゅ)」
最も多いタイプの嚢腫です。透明の液がたまっています。エコーやMRIで影が映らず大きな袋が見えるだけなので、卵巣がんとは間違われにくいです。
「粘液性嚢腫(ねんえきせいのうしゅ)」
閉経後の情勢に見られます。ゼラチン状の粘液が溜まり、かなり大きくなります。エコーやMRIでは影が映らず大きな袋が見えるだけなので、卵巣がんとは間違われにくいです。
「皮様性嚢腫(ひようせいのうしゅ)」
30代までの女性に多く見られる。歯や髪の毛などが混ざり、ドロドロとした物質が溜まります。中にあるものによってはエコーやMRIに映るので、卵巣がんと間違われやすい嚢腫です。
卵巣腫瘍・嚢腫ではなく嚢胞
卵巣腫瘍と言われ、手術で調べると、卵巣嚢腫ではなく嚢胞(のうほう)ということもあります。
「チョコレート嚢胞」
卵巣腫瘍と言われ、結果嚢胞だった場合、「チョコレート嚢胞」ということが多いです。チョコレート嚢胞は、30代までの女性に多く見られ、出血した血が溜まり、嚢腫がつくられる。
卵巣内に血腫がある場合は、袋の中に異物が映り、血液だけの場合は卵巣全体が白っぽく映ります。
※チョコレート嚢胞について詳しくはこちら
卵巣腫瘍はどんな風に見つかる?
この卵巣腫瘍、悪性にしても良性にしても、嚢腫や嚢胞にしても、大きくなって成長するだけ。通常は、痛みもないし、普通に生活していて気付くものではない病気だから、見つかることが遅いことが多いと言われています。なので、定期検診が必要です。
ウエストがきつくなった、妊娠していないのにお腹が出てきた、おしっこが近くなった、便秘という症状くらいだから、最近太ってきたと勘違いし、放置されることが多くあるみたいです。
卵巣が大きくなってくると内臓が圧迫され、足がむくむから、病院を受診し、見つかることもあるといいます。
最悪の場合は、付け根がねじれて激痛を起こし、見つかることもあります。
じつは、私の年始に起こった激痛は、これじゃないかと疑っています。もう死ぬかと思うくらい痛かったし…
なにも症状が無くても、内科で見つかったり、健診の血液検査で見つかることがあるらしいので、やっぱり健診って必要です。
卵巣腫瘍の治療法は?
色々な種類がある卵巣腫瘍、一番気になるのは治療法はあるのか?ということではないでしょうか?
卵巣腫瘍と診断された場合、まず大きさを見るのは大切です。上記にもあるように、5㎝や6㎝以上なら、治療と言うよりは手術をして病理検査をすることをすすめられます。もし10cmや20cmと巨大なら、悪性の可能性が高くなるので、早めの手術をすすめられます。
大きさがそれ以下で、悪性の可能性が低いなら、経過観察となります。
手術は、開腹手術や腹腔鏡手術となります。
病理検査の結果「良性」なら、手術でその病変を摘出することで根治。もし「悪性」なら、手術でできるだけ癌細胞が残らないように摘出し、その後放射線治療をしていく方法がとられます。
捻転を起こしたり、病状が悪かったらすぐに手術だけど、何も症状が無いなら、まずはホルモン治療をし、手術に備えるということもあります。
もしかしたら、ホルモン治療をすることで、卵巣の中に溜まっている血が減り、腫れが小さくなるかもしれず、無くなる可能性もあるからです。
手術の貧血対策のために出血を抑えるという点でもホルモン治療期間は大切です。私も治療しました。
そのホルモン治療についてはこちら。