先日告げられたアルドステロン症疑い。「原発性アルドステロン症」とはいったいどんな病気なのでしょうか。負荷試験をすることになって、色々調べてみました。
「原発性アルドステロン症」とは
今は、疑いの「原発性アルドステロン症」とは、副腎という臓器からアルドステロンというホルモンが異常に出てしまっている病気で、高血圧などの症状が現れます。
このアルドステロンというホルモンは、ナトリウムを貯留し、カリウムの排泄を促すホルモンです。水分や塩分の調整を行う働きをします。
このアルドステロンが過剰になると、体の中が塩分過多になり、高血圧を引き起こします。またカリウムの排泄増加により低カリウム血症を引き起こします。
そもそも副腎ってどこにあるの?
そもそも、副腎とは、どこの臓器なのでしょうか。人間の体には、左右に腎臓があります。その上におよそ3×5cmの小さな三角形の臓器があります。それが「副腎」です。
その副腎は、生きていくのに必要なホルモンがつくられるところです。この副腎、両方無くなると人間に必要なホルモンが作られなくなってしまうので、なかなか両方摘出することはありませんが、両側摘出が必要な時は、副腎ホルモンを一生飲み続けなければなりません。
原発性アルドステロン症は普通の高血圧と違う?
高血圧は、心筋梗塞や狭心症などの心疾患のリスクが高まります。血圧が高いと腎臓に大きな負担がかかります。ですから、血圧を下げるお薬を飲んだり、塩分を控えて、運動をするなど対策する必要があります。
もし、この高血圧が、原発性アルドステロン症が原因の場合は、ホルモン自体が心血管系へ直接作用してしまい、心血管系合併症のリスクが高まります。脳血管障害、心筋梗塞、大動脈瘤、心不全、腎不全などを引き起こす危険性が、生活習慣病の高血圧よりも高くなるようです。
どんなに努力をしても、ホルモンが異常に出つづける限り、血圧は下がらないからです。
ですので、血圧を下げるというよりは、ホルモンの調整をしなければなりません。普通の高血圧とは少し治療が違うので、注意が必要です。
しかし、高血圧はとても難しいので、簡単に原発性アルドステロン症を疑うわけにはいきません。まずは、血圧降下剤を使用し様子を見るのが一般的です。
高血圧は、長い付き合いになりますので、担当の先生方も、しっかりと体を見て下さっていると思います。先生の診断を疑い、早急に検査してほしい!と言うのではなく、先生に任せることも大切です。
もし、降下剤が効かないようであれば、こんな病気があると聞いたのですが…その可能性はありますか?と聞いてみると良いかもしれません。
原発性アルドステロン症と診断するには
原発性アルドステロン症と診断するには、血液検査が必要です。
診断要素1・採血
採血をして、血液中のアルドステロン濃度とレニン活性のホルモン濃度で計算します。
アルドステロンをレニンで割った数値が200以上の場合、まず「疑い」となります。
診断要素2・CT
次に、CTを撮ります。副腎が腫れていないかを見るのです。副腎がんもこのアルドステロンを異常に出す傾向があるので、それも含めて見ることになります。
診断要素3・負荷試験
原発性アルドステロン症の疑いが強くなると、負荷検査を行います。負荷検査は4つほどあります。「カプトリル負荷試験」「生理食塩水負荷試験」「フロセミド立位負荷試験」「経口食塩負荷試験」です。
アメリカでは、どれかの検査で一つでも数値が高ければ原発性アルドステロン症と診断されますが、日本では、二つの検査結果の数値が高いことが診断する決め手になります。